保護猫を迎えるとき、譲渡金として15,000〜40,000円ほどかかるのが一般的です。ただしこれは団体や保護主が立て替えた医療費の実費精算であり、猫の状態によって大きく変わります。
この記事では、ぽちとたまに掲載されている保護猫の実データ(2026年7月時点)をもとに、譲渡金の内訳から初期費用、年間費用まで「結局いくらかかるのか」をまとめました。迎える時にかかるのは合計35,000〜80,000円、その後は年間12〜18万円が目安です。
保護猫を迎える費用の総額【早見表】
まず全体像です。保護猫を迎えるときと、迎えた後にかかる費用をまとめました。
| 費用の種類 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 譲渡金 | 15,000〜40,000円 | ワクチンや手術など医療費の実費精算 |
| 初期費用(用品) | 20,000〜45,000円 | ケージ・トイレ・キャリーなど |
| 迎える時の合計 | 35,000〜80,000円 | |
| 年間費用 | 120,000〜180,000円 | フード・猫砂・医療費など |
| 生涯費用(15年) | 約200万〜300万円 |
「思ったよりかかる」と感じられたかもしれません。ただし、この金額の多くは猫が健康に暮らすために必要な医療費です。次の章から、ひとつずつ内訳を見ていきます。
譲渡金の相場と内訳|なぜお金がかかるのか
譲渡金の相場は15,000〜40,000円
保護猫を迎える際、多くの保護団体や保護主が譲渡金(譲渡費用)を設定しています。金額は団体によって幅がありますが、おおむね15,000〜40,000円が相場です。子猫か成猫か、どこまで医療対応が済んでいるかによって変わります。
譲渡金の内訳
譲渡金は、保護してから譲渡までにかかった医療費が中心です。主な内訳は次のとおりです。
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 混合ワクチン(1回) | 5,000〜8,000円 |
| 猫エイズ・猫白血病の検査 | 5,000〜10,000円 |
| 避妊手術(メス) | 20,000〜40,000円 |
| 去勢手術(オス) | 10,000〜20,000円 |
| 駆虫・ノミダニ駆除 | 2,000〜5,000円 |
| マイクロチップ装着・登録 | 5,000〜8,000円 |
すべて実施すると、実際には5万円を超えることも珍しくありません。譲渡金がそれより低く設定されているのは、保護活動をしている方が差額を負担していることが多いためです。
譲渡金は「利益」ではなく立て替えた医療費です
ときどき「保護猫なのにお金がかかるの?」というご質問をいただきます。譲渡金は、保護活動をしている方がすでに支払った医療費を、迎える方が引き継ぐものとお考えください。
保護活動の多くは個人や小さな団体がボランティアで行っており、医療費は自己負担です。1匹あたり数万円の医療費を立て替えながら、次の家族を探しています。譲渡金は、その活動を続けていくために必要な仕組みです。
譲渡については『保護猫の譲渡条件が厳しいのはなぜ?単身・高齢でも迎えられる?』の記事も合わせて参照してみて下さい。
【実データ】掲載中の保護猫の医療対応状況
ここからが、この記事でもっともお伝えしたい部分です。
「譲渡金の相場」はわかっても、自分が迎える猫の場合はいくらになるのかは見えにくいものです。そこで、ぽちとたまに掲載されている保護猫の医療対応状況を集計しました。
| 項目 | 対応済みの割合 | 集計件数 |
|---|---|---|
| ワクチン接種済み | 72.0% | 2,912件 |
| 避妊・去勢手術済み | 46.7% | 2,952件 |
※ぽちとたま掲載データ(2026年7月時点・掲載中の猫を集計。「不明」の記載は除外)
この数字から、次のことが読み取れます。
ワクチンは約7割が接種済み
ワクチンについては72.0%が接種済みでした。多くの場合、保護主の方が接種を済ませたうえで募集しています。残りの約3割は未接種のため、迎えた後にご自身で接種する必要があります(1回5,000〜8,000円程度)。
避妊去勢は半数以下。ここが費用を左右します
一方、避妊去勢手術が済んでいるのは46.7%と半数以下でした。つまり半数以上の猫は、迎えた後にご自身で手術を受けさせる必要があります。
費用はオスの去勢で1〜2万円、メスの避妊で2〜4万円程度。譲渡金とは別に、この分を見込んでおく必要があります。
特に子猫の場合、手術ができる月齢に達していないことが多いため、未手術のまま募集されているケースが目立ちます。子猫を迎える予定の方は、あらかじめ手術費用を準備しておくと安心です。
結論:譲渡金+手術費で「3〜8万円」を見ておくと安心
以上をふまえると、迎える時に用意しておきたい金額は次のようになります。
- 避妊去勢もワクチンも済んでいる場合:譲渡金のみ(15,000〜40,000円)
- 避妊去勢が未実施の場合:譲渡金+手術費(合計30,000〜80,000円程度)
迎える前に必ず確認したい3つのこと
費用を正しく見積もるために、募集ページや保護主とのやり取りで次の3点を確認しましょう。
- 避妊去勢手術は済んでいるか(未実施なら1〜4万円が別途必要)
- ワクチンは何回接種しているか(未接種なら5,000〜8,000円)
- 猫エイズ・猫白血病の検査は済んでいるか
ぽちとたまの募集ページでは、これらの情報が項目として記載されています。気になる子が見つかったら、まず確認してみてください。
猫を迎える時に必要な初期費用(用品)
譲渡金とは別に、猫を迎えるための用品を揃える必要があります。
| 必要なもの | 費用の目安 | 優先度 |
|---|---|---|
| ケージ | 8,000〜20,000円 | 必須 |
| トイレ本体・猫砂 | 3,000〜6,000円 | 必須 |
| フード皿・水皿 | 1,000〜3,000円 | 必須 |
| キャリーバッグ | 3,000〜8,000円 | 必須 |
| 爪とぎ | 1,000〜3,000円 | 必須 |
| ベッド・毛布 | 2,000〜5,000円 | 推奨 |
| 合計 | 20,000〜45,000円 |
特にケージは、迎えた直後の環境に慣れるまでの期間に必要になります。保護猫は新しい環境に強い不安を感じるため、最初はケージで安心できる場所を用意してあげることが大切です。
詳しくは『保護猫を迎える前に揃えるもの完全リスト【最低限+あると便利】』の記事も参照してみて下さい。
猫を迎えた後にかかる年間費用
猫を迎えたあとは、毎年継続して費用がかかります。
| 項目 | 月額 | 年額 |
|---|---|---|
| キャットフード | 3,000〜6,000円 | 36,000〜72,000円 |
| 猫砂 | 1,000〜2,000円 | 12,000〜24,000円 |
| 医療費(健康診断・ワクチン) | - | 15,000〜30,000円 |
| 日用品・おもちゃ | 500〜1,500円 | 6,000〜18,000円 |
| 合計 | 約12〜18万円 |
猫にかかる生涯費用は約200万〜300万円
猫の平均寿命は15.79年です(出典:一般社団法人ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査」)。年間12〜18万円で計算すると、生涯にかかる費用は約200万〜300万円になります。
高齢期には医療費が増える傾向があるため、余裕をもって考えておくことをおすすめします。
ペット保険は必要?
猫の治療費は全額自己負担です。手術や入院が必要になると、1回で10万円を超えることもあります。
ペット保険の保険料は月額1,500〜3,000円程度が目安です。加入は必須ではありませんが、予期せぬ出費に備えたい方や、若いうちから長く飼う予定の方は検討する価値があります。
猫をペットショップで購入する場合との費用比較
保護猫とペットショップで、費用や条件がどう違うのかをまとめました。
| 保護猫 | ペットショップ | |
|---|---|---|
| 迎える時の費用 | 15,000〜40,000円 | 150,000〜400,000円 |
| 医療対応 | 済んでいることが多い | 別途必要な場合あり |
| 年齢 | 子猫〜成猫まで幅広い | 主に子猫 |
| 性格 | 保護主が把握しており事前に聞ける | わかりにくい |
| 年間の飼育費 | 同じ(12〜18万円) | |
迎える時の費用には大きな差がありますが、迎えた後にかかる費用は同じです。金額だけでなく「どんな猫と暮らしたいか」で選ぶことが大切です。
なお保護猫には、成猫を迎えられるという利点もあります。すでに性格が定まっているため、「穏やかな子がいい」「先住猫と仲良くできる子がいい」といった希望を伝えて選べるのは、保護猫ならではです。
費用を抑えるためにできること
自治体の助成金を活用する
多くの自治体が、猫の避妊去勢手術に対する助成金制度を設けています。金額は1匹あたり3,000〜10,000円程度が一般的です。お住まいの自治体のホームページで「猫 避妊去勢 助成金」と検索してみてください。
成猫を迎えることも検討する
子猫は避妊去勢が未実施のことが多く、迎えた後に手術費が必要になります。一方、成猫はすでに手術やワクチンが済んでいることが多く、迎えた後の医療費を抑えられる傾向があります。
用品は最低限から始める
猫用品は後から買い足せます。まずは必須のもの(ケージ・トイレ・食器・キャリー・爪とぎ)だけを揃え、猫の好みがわかってから追加していくと無駄がありません。
よくある質問
Q. 保護猫の譲渡金は必ず払うものですか?
A. 多くの団体・保護主で必要です。これは利益ではなく、ワクチンや手術などすでに立て替えられた医療費の実費精算にあたります。
Q. 譲渡金が無料の場合もありますか?
A. 個人の保護主から直接譲り受ける場合など、無料のケースもあります。ただし医療対応が済んでいないことが多く、その分は迎えた後にご自身の負担となります。総額では大きく変わらないとお考えください。
Q. 結局、総額でいくら用意すればいいですか?
A. 迎える時に35,000〜80,000円、その後は年間12〜18万円が目安です。避妊去勢が未実施の場合は、手術費1〜4万円を追加で見込んでください。
Q. 避妊去勢は自分でやる必要がありますか?
A. 猫によります。ぽちとたまの掲載データでは避妊去勢済みが46.7%で、半数以上は迎えた後にご自身で手術を受けさせる必要があります。費用は1〜4万円程度です。募集ページで事前に確認できます。
Q. ペットショップより本当に安いのですか?
A. 迎える時の費用は大きく違います(保護猫1.5〜4万円、ペットショップ15〜40万円)。ただし迎えた後の年間費用は同じです。
Q. 費用が心配ですが、迎えても大丈夫でしょうか?
A. 猫は15年以上生きる家族です。迎える時の費用だけでなく、年間12〜18万円を継続して負担できるかを目安にご検討ください。不安な点は、保護主に率直に相談していただいて構いません。
まとめ
保護猫を迎える費用について、要点をまとめます。
- 譲渡金の相場は15,000〜40,000円。立て替えられた医療費の実費精算です
- 用品などの初期費用が別途20,000〜45,000円かかります
- 迎える時の合計は35,000〜80,000円が目安です
- ぽちとたまの掲載データではワクチン接種済み72.0%・避妊去勢済み46.7%。半数以上は手術費(1〜4万円)が別途必要です
- 迎えた後は年間12〜18万円、生涯では約200万〜300万円かかります
- 募集ページで医療対応の状況を確認すれば、費用を正確に見積もれます
費用は決して小さくありませんが、その多くは猫が健康に暮らすために必要なものです。金額を正しく把握したうえで、納得して迎えていただければと思います。
ぽちとたまには、全国から寄せられた保護猫の里親募集情報が掲載されています。医療対応の状況も各ページに記載していますので、気になる子を探してみてください。































